スキルバランスドーナツチャート

生活の拠点が日本国内であっても、海外であっても、世界中の情報が直ぐに手に入り、世界中の人々とのやり取りが簡単に行えるようになったことは、海外生活を続けていく上では非常に有難いことです。ここ数十年の間に起きてきたこの情報化の影響は、生活に対する利便性を高めることと同時に、キャリアや仕事そのものにも大きな変化を求めていると感じます。

 

2000年前後の世界:”何か”+英語ができれば有利

1990年代後半、英語は当時からすでに重要なスキルとして認知をされていましたが、英語ができることのアドバンテージは今よりも大きかった気がします。そこから、「IT革命(懐かしい)」や「グローバリゼーション」という言葉の流行とともに、英語はあくまでも道具であり、英語プラスαのスキルがあればもっと仕事を得やすい、キャリアステップを重ねる上で非常に有利であるとされてきました。

2020年の世界:「英語+α」では心もとない

今、ビジネスの現場で必要とされているスキルは、「語学・コミュニケーションスキル」に加えて、さらに「ITスキル」や、「財務スキル」も必須と言われます。これだけでもスキルとして3種類。経営者やコンサルタントに必須の知識やスキルという視点で体系化された中小企業診断士の試験科目に「経営情報システム」や「財務・会計」が含まれてますが、ビジネスの現場において、どうやらこれらのスキルが必要であることは、あまり疑う余地は無いのではないかと思います。

中途半端スキルの収集家になるリスク

TOEICの勉強をしながら、プログラミングの勉強に手を付けて、さらには簿記の勉強も…。勉強時間・睡眠時間の不足を日々感じながら、SNSから流れてくる素晴らしいキャリアや実績を持つ人たちに感化され、今の世の中が求めるスキルを追い求めようとすると、こんな生活が待っています。

タイムマネジメントができて、しっかりといずれのスキルも着実に身に着けられれば、もちろんそれは理想的なスキルアップになりますが、仕事の合間に自己啓発として取り組むには、あまりに過酷で発散気味になってしまいます。

特に自身の反省も込めて述べると、中小企業診断士という資格に関心が高い方々は、このような状況に陥りやすい印象です。中小企業診断士の業務の一部は、「弁護士や会計士などの各方面の専門家とクライアントの橋渡しをする業務」と言われますが、この言葉からも分かるように、診断士がジェネラリストの性質が強い士業だからです。

さらに厳しい現実として、ある程度各分野のスキルに対する知識が身についたとしても、各分野をそれぞれ本業とする専門家(例:通訳・ソフトウェアエンジニア・経理担当者・公認会計士)が持つ知識やスキルを目の当たりにした途端、圧倒的なスキル不足を痛感することになります。1/3もしくは1/4, 1/5程度の学習量や経験では、”1″を徹底してきた人との差を埋めることはできません。

スキルバランスを意識するフレームが必要

このような「中途半端なスキルの収集家」にならないようにする為には、バランスを意識しながら、スキルをメンテナンスしていく必要があります。また同時に、自身を特徴づける強みとなる、コアスキルが必要です。コアスキルの周辺スキルとして、「英語(語学)」・「IT」・「財務」を周辺スキルとして育てることで、自身のスキルをうまくデザインすることができれば、自分が今どのスキルを伸ばすべきか、また今後それらがどのような相互作用を生むことができるか、といった視点でスキルをメンテナンスすることが可能になります。

スキルバランスドーナツチャート(Skill Balance Doughnuts)

スキルのバランスをメンテナンスすることを目的に作成した、スキルバランスドーナツチャートの例を以下に示します。使い方としては、①初めに自分のコアスキルを何にするかを考えて中心部分に配置する、②周辺スキル部分に対しては、現状のスキルの習熟度や過不足を定性的・定量的に示して配置する、という二つの作業を通じて自己分析をします。

アメリカや海外で活躍しているビジネスパーソンやしっかりとした実績を持つ優秀な経営者のスキルセットを見ても、おおむねこれらのバランスが良いと感じるので、海外でビジネスを展開する場合においても、このチャートは十分に機能すると感じます。意外に難しいのは、コアスキルの設定かもしれません。

スキルバランスを意識することの意味は、コアと周辺のそれぞれに対して投資する自分のエネルギーや時間をコントロールすること、また、今後も増えてくると予想される周辺スキルの増加に対して体系的かつ冷静にスキルを整理しながら、自分のビジネスパーソンとしての付加価値を考えることにあると思います。

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