「中小企業診断士には独占業務が無い」。この資格について調べると必ず出てくる情報ですが、中小企業支援法という法律で正式に国家資格として規定されているにも関わらず、実際に独占業務はありません。この状況は、専門家の登録制度を運営しておきながら、その専門家への具体的な委託業務を示さない、国並びに経済産業省が改善をしなければならない問題点だと考えています。
あえて問題点と記載した理由は大きく二つあります。
一つ目は、中小企業診断士の資格取得後に独立を志しても、独立後の収益のベースとなる業務に関して国による後ろ盾が全く無い為、独立のハードルが高く、結果として独立診断士が増えないこと。このことはさらに、診断士資格保有者が増えても、本来の目的である中小企業の支援が進まないことを意味します。
二つ目は、独占業務が無い事で、”登録済みの中小企業診断士”と、”支援が欲しい中小企業”との間のマッチングが起こりにくいことです。約27,000人とされる診断士登録者の中小企業支援に向ける熱意やエネルギーはかなりの規模であり、仮に小さな独占業務を本業もしくは副業として持つことができれば、国全体として大きくかつ実効的な中小企業支援の機会が生じます。