米国サブウェイ 低コスト店舗経営のヒント

 以下の投稿では、アメリカのサブウェイを訪れ、来店した顧客側の視点で注文までの流れについてまとめました。今回は、店舗を運営する事業主側の視点に立ち、アメリカのサブウェイの店舗のオペレーションのポイントに触れながら考察を重ねて、低コスト店舗経営のヒントを探ってみたいと思います。

  

サブウェイは低コスト店舗経営のお手本
 世界最大規模とも言われる店舗チェーンを展開するサブウェイですから、店舗経営のノウハウや合理化はかなり進んでいる印象があります。特にコストセービングの観点では学べる部分が多いです。レストラン等の店舗を運営する場合、特に定常的に発生するコストを如何に抑えられるかによって、最終的な商品の価格を顧客側から見た場合の適正な価格に抑えられるかが決まります。

立地/店舗・サービス・スタッフ・製品/在庫のそれぞれの分野でサブウェイのオペレーションを観察した場合、個人的には、次のような点に低コスト運営のポイントがあると考えました。

   

  

低コスト運営のヒント①:「立地/店舗」
 サブウェイの店舗は基本的にそれほど大きな店舗ではなく、コンパクトなスペースで運営されています。店舗の基本構成が非常にコンパクトであることにより、店舗の立地も郊外やロードサイド、ショッピングモールのフードコートにいたるまで、「幅広い形態で隙間に収まるように」出店が可能です。当然ながら、コンパクトであることは、家賃や土地・不動産にかかる費用を抑えることにもつながります。

   

次に、店舗の中に目を向けると、注文を行うための顧客動線はサイン等でガイドされて整えられており、店内で食事をする為のテーブルや椅子もそれほど多くは設置されていません。基本的には、「To Go(持ち帰り)」の比率を高めて顧客の回転率を上げることで、少ない席数でもそれほど店舗運営に支障が無く、かつ単位顧客当たりの利益率もある程度の水準を維持しているのだと思います。

一列に並んで一人ずつオーダー、レジ、ドリンク、退店という流れ

   さらに、注文できるメニューから推測される点としては、基本的にセントラルキッチン方式(複数店舗をカバーする調理専用の工場で調理を行い、調理・半調理済みの食材が各店舗に納入される方式)であり、店舗には必要最低限の調理器具しか置かれていません。サイドメニューにフライドポテトが無く、袋入りのチップスが置かれている点もこの特徴に寄与しています。

   

   

低コスト運営のヒント②:「サービス」・「スタッフ」
 サブウェイは基本的にセルフサービスであり、サービスの種類としては主に「To Go」(持ち帰り)or 「For here」(店内での食事)のいずれかです。どちらを選択しても、金額に差は無く、店員のオペレーションにも、ほとんど違いはありません(商品をトレイに乗せて顧客に渡すか、紙袋に入れて顧客に渡すかの違い程度)。両方の顧客の希望に対応ができるようにした上で、前述の通り、 実際には「To Go」 で商品を手にして店を後にする顧客の比率がかなり高い印象ですので、この点は大きく利益率の向上に寄与していると思われます。特にアメリカにおいては、顧客側に選択の幅があればあるほど、サービス性が高いと判断される印象が強く、このことはこの次で述べるサンドイッチのカスタマイズについても同様の事が言えます。好みに応じた細かいカスタマイズを可能にすることで付加価値を向上させた上で、そのサービスの価値に対する割安感を顧客に提供している形です。

   

  

 スタッフの動きに着目すると、顧客が少ない時間帯には一人でもオペレーションが可能な作業内容であり、ランチタイムなどの忙しい時間帯であっても、多くても2~3名程度で分業をしながらオペレーションをしています。この背景には、例えばフライドポテトなど別調理が必要となるサイドオーダーを極力避けていること、スタッフが行う調理作業を調理済みの具材を顧客の依頼内容に応じて載せていくだけのシンプルな作業に限定しているであることが寄与していると考えられます。

この店舗のランチ時間では、パン&プロテインのパート、野菜のパート、レジのパートと3名で分業

  

低コスト運営のヒント③:「製品」・「在庫」
 サブウェイの製品の特長は、オーダーメイドである事です。言い換えると受注生産方式である為、完成品を在庫として持つ必要がありません。完成した商品を選ぶ方式に比べると、オーダーメイドの方が顧客の満足度やリピート率に貢献するという点のみならず、このオーダーメイドであることがコストセービングにも貢献しています。半調理された具材やパンは定期的にセントラルキッチンから供給される上に、一部の調味料や具材は常時冷蔵状態であり、そのまま保存も可能なので、在庫を抱える方式に比べると廃棄する食材もある程度コントロールしやすいのではないでしょうか。

  

  

 中小企業経営や小規模店舗経営は、常に非常に限られたリソースとコストセービングを日々の店舗運営で如何に実現するかが重要なポイントとなります。すでにアメリカのサブウェイの場合は、流通網やブランドバリューなど、大手だからこそ実現できる経営のヒントも多分にありますが、ここで述べたような各要素の一部は、おそらくは日本の中小企業・小規模店舗経営においても有効なお手本となりうると思いました。

 

  

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