専門家派遣制度について

試験突破を目指して取り組めば取り組むほど手段が目的化しやすいので、資格を取得した後にどのように活かせば良いか悩むことがあります。特に、中小企業診断士という資格は業務独占資格(その資格を有する者しか行えない業務がある資格)ではない為、法的な面で直接的に仕事が保証されるわけではありません。実際に、独立した中小企業診断士自身が、思うように営業活動やマーケティングが行えず、仕事を得る部分で苦労されているケースがあることも事実です。そして、その事実だけを切り取ると、安定的な収入が得られない士業というイメージになり、取得するメリットが少ないと感じるかもしれません。この認識はある意味では正しいです。
 
私自身も中小企業診断士として登録するまではそのように考えていた為、自己啓発や企業内診断士として本業に活かすということを目標として資格取得を考えていました。しかし、実際には「中小企業診断士=専門家の証明」として公的な手続きを行う際に有効に機能するケースが存在します。事実上の業務独占に近い状態があると言っても良いかもしれません。
 
 
専門家派遣という制度
例えば「専門家派遣」というキーワードを検索してみてください。検索結果には中小企業庁の”ミラサポ”をはじめ、各都道府県や中小機構が行っている専門家派遣制度や派遣事業が表示されます。これらの制度の対象は個人事業や中小企業が中心であり、対象となる個人や中小企業(事業主)に代わり国や地方自治体が専門家に支払う謝金を負担して、専門家を派遣し、個人や企業の支援を行う制度です。
 
専門家は通常登録制
専門家派遣事業を行う国や自治体は専門家派遣を行うために、一定数の専門家を登録しておくのですが、誰でも専門家として登録できるわけではありません(具体的な登録要件は国・地方自治体などの専門家募集事業ごとに異なります)。このような場面で中小企業診断士のような士業の有資格者であることが有効になります。
 
経営課題はとても”抽象的”
士業というと弁護士や公認会計士、社会保険労務士など、それぞれの分野の専門家も含まれます。当然、事業主が抱える課題が具体的で対象となる専門分野が最初から明確な場合は、事業主がそれぞれの分野の専門家と相談すれば良いのですが、経営課題は様々な複合要因で発生しているケースが多く、最初の一歩では、どの専門分野が適任であるかが判断しづらいケースがあります。そこで、各専門家(各分野の士業)との連携や橋渡しを目的としてジェネラリストである中小企業診断士の存在意義が出てきます。
 
 
中小企業診断士は、確かに業務独占資格ではありません。しかし、業務独占資格である弁護士や公認会計士を「各分野の専門医」に例えると、非常に複雑な経営課題の最初の一歩を紐解く「ホームドクター」として国や自治体の専門家派遣事業に専門家登録を行った上で、事業主や企業の支援を業務とすることが可能です。
 
 
 

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