外部環境分析と内部環境分析

 企業診断の基本フレームワークを使用する上で、外部環境分析と内部環境分析が大切な作業であるとお伝えしましたが、それぞれの分析を行う際にも分析の視点や着眼点があると調査しやすくなります。ここでは、外部・内部の双方の環境分析に共通となるポイントと、内部環境分析・外部環境分析それぞれに固有の視点や着眼点の例をご紹介します。

 

環境分析のポイント
 外部環境分析も内部環境分析も、情報収集・整理の方法に関しては共通するポイントがあります。例えば、以下の点に注意して情報を収集・整理して分析すると、この分析の後に行う分析や(企業側への)提案内容が充実した内容になります。

  • 客観的事実に関する情報を定性的・定量的に収集すること
    例)定性的情報:近年ニーズが多様化している傾向 定量的情報:商品の種類が5年前に比べて20%増加
  • 幅広い情報源から多面的な情報を収集すること
    例)自社・他社、経営者・従業員、品質・コスト・納期をそれぞれ調査
  • 類似/重複する情報を極力避けて不要な情報は排除すること

 

内部環境分析の着眼点
 診断する企業そのものを分析する作業が内部環境分析です。この分析結果からSWOT分析上の強み(S:Strengths)と弱み(W:Weakneses)を導くことになる為、診断対象となる企業の実態を示す情報を収集して分析を行います。分析の結果として、例えば、製品品質に関する評判が良い、売上高経常利益率が業界の標準的な指標よりも3%程度高い、というような客観的な事実を得ることが目的です。内部環境分析の着眼点としては、診断対象企業のヒト(人材・組織), モノ(製品・サービス), カネ(財務), 情報のそれぞれについてまとめる方法がおすすめです。その他にも、組織別・組織機能別に分析する方法等もありますが、企業を一体として見た場合にしか見えない状況もあったり、人以外の要素(製品・サービス・資産等)の調査が漏れる可能性があるので、少し注意が必要です。情報源は企業独自の情報となるの為、財務諸表、売上情報、組織や人事情報、社長や従業員へのヒアリングなどになります。

 

外部環境分析の着眼点
 診断する企業を取り巻く環境について分析を行うのが外部環境分析です。この分析結果は、SWOT分析上のO(機会:Opportunities)とT(脅威:Threats)に繋がる為、業界動向や市場動向、さらには競合や顧客の状況などについて調査を行うことになります。ちなみに、分析対象を「自社(Company)」・「市場(Customer)」・「競合(Competitor)」と3つの視点に分けて分析する3C分析と呼ばれるフレームワークもありますが、これに沿うとすれば内部環境分析が「自社(Company)」を、外部環境分析が「市場(Customer)」・「競合(Competitor)」を取り扱うことになります。外部環境分析の情報源は、競合や市場の情報が主なものとなることから、インターネット上で入手可能な情報も有効であるケースが多いと感じます。

 
内部環境分析と外部環境分析


 

 環境分析の情報収集は通常限られた時間の中で行う必要があるので、前述の環境分析のポイントを押さえるだけでなく、さらにある程度の仮説に基づいて収集するなど、集め方についても工夫をした方が良いと思います。

 

 

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