企業診断の基本フレームワーク

今回は実務補習でもほぼ同様のものが紹介されている「診断の基本的なフレームワーク(思考の枠組み)」をご紹介します。企業側の課題も中小企業診断士のアプローチも様々である為、実際に企業を診断する場合には、あまり定型的な診断方法や標準的に使用されるフレームワークは存在しないのではないかと思いますが、このフレームワークを使用すれば、ある程度は論理的に情報やアイデアが整理できるので、実務補習や企業診断を行う上で理解しておくと便利です。
 
企業診断のゴール
中小”企業診断”士が”企業診断”を行う場合、大きく二つのステップに分かれます。最初は、その企業の経営状況や競争環境等を把握して企業を診断すること、そして次にその診断結果に基づき、適切な対処方法や解決方法を検討して企業側に提案することです。ここであくまでも「提案」としているのは、企業経営の主体が経営者や企業側である以上は、中小企業診断士が行った提案をどの程度信用して採用するかは、企業側に判断がゆだねられる為です。企業側がその提案に理解を示して実行することになれば、提案だけに留まらず、改善に向けた活動や定期的な診断業務を引き続き対応するケースもあるかもしれませんが、ここでは企業診断のゴールを「企業の経営状況を診断して具体的な対策・対処方法の提案(≒戦略・戦術・施策)を提案すること」であると定義し、提案までのプロセスで必要となるフレームワークを示します。
 
企業診断用フレームワークの構成
今回ご紹介する企業診断用フレームワークは、SWOTと呼ばれるフレームワークを中核としたアプローチです。最初に内部・外部の環境を整理して自社の強み(S:Strengths)と弱み(W:Weakneses)を明文化し、並行して外部環境のO(機会:Opportunities)とT(脅威:Threats)を整理します。その結果として得られた、SWOTの内部環境のS・Wの要素と、外部環境のO・Tの要素を掛け合わせて、クロスSWOTと呼ばれるマトリクスを描いて、最終的に戦略・戦術・施策のアイデアを具体化するという流れです。
 
企業診断の基本的なフレームワーク


 
企業診断用フレームワークを活用する上でのポイント
ビジネススクールやコンサルティング会社が考案したフレームワークは多数存在しており、思考を整理したりアイデアを創出しやすくする為のツールとして大変有効です。しかしながら、フレームワークを扱う際には若干の注意が必要です。以下にそのポイントをまとめます。
 
・最初に行う内部環境分析・外部環境分析は、多面的かつ事実に基づく情報をできるだけしっかりと調査して積み上げた方が改善に向けた効果的な戦略・戦術・施策が提案できます。この最初のステップを軽視してしまうと、企業や環境の実態を掴めないままの的外れな提案になってしまう恐れがあります。
 
・フレームワークは、その内容が間違っていたり的外れであったとしても、それなりの形に見えて完成してしまいます。人間の思考を表現する作業である以上はどうしても感覚的・主観的な要素をゼロにすることはできません。ですが、フレームワークに要素を書き入れる際は、極力主観的・感覚的な要素を排除できるように、常に客観性・論理性を意識することが大切です。
 
・メッセージや結論ありきでフレームワークを利用しないことも重要なポイントです。企業診断やコンサルティングを行う際に、説明のシナリオやストーリー性は非常に重要なポイントですが、試行を整理する前提としてメッセージや結論を先に決めてから取り掛かってしまうと、分析作業自体の客観性や論理性が失われてしまいます。
 
 
このようにフレームワークを使用する際はメリット・デメリットを理解して使用することが重要ですが、フレームワークは視覚的に思考プロセスを表現できるので、企業や経営者に自身の診断結果や提案を示す際には有効なツールとなります。
 
 

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