マーケティングは「顧客の課題を知ること」から

 アメリカ・マーケティング協会による「マーケティング」の定義によれば、マーケティングの対象として、個人・組織・ステークホルダー・クライアント・パートナー・社会一般という言葉が並びます。マーケティングの対象が異なれば、当然その対象とのコミュニケーションの取り方や手段も異なってきますし、さらには目的も様々です。ただ、対象がステークホルダーの場合でも、パートナーや社会一般の場合でも、本質としては「その対象にとって、何が課題なのか」を知ることがマーケティングで成果を得る為の第一歩であると思います。
 
 
“顧客”に対する”活動”だけでは本当のマーケティングにはならない
 例えば、コーヒーを販売するセールスマンが、紅茶を飲みたい”顧客”に対してコーヒーを勧めても、おそらくは遠慮されてしまいます。マーケティングとは定義によれば”活動・プロセス”を指しますので、ここではセールスマンによる「顧客に紅茶を勧める」という活動・プロセスがマーケティングに該当する可能性があるわけですが、いくら顧客を対象とした活動・プロセスであっても、「このセールスマンが、顧客に価値を提供したり、顧客の課題を解決するという目的に基づいた活動」を行っていないケースでは、マーケティングと呼べないことになります。例えば、セールスマンがコーヒーや紅茶、顧客には関心を持たず、一連の行動・プロセスをあくまでも勤務時間を過ごす手段として利用している場合です。
 
 
“ステルスマーケティング”は本当にマーケティングと呼べるか
ステルスマーケティング(略称:ステマ)という言葉が浸透していますが、この言葉は、顧客やその対象から見た場合に、そのプロセス自体が宣伝や広告と認識されない(「こそこそ」した)プロモーション(販売促進活動)の手法を指しています。ステルス”マーケティング”という言葉ではありながら、もしその広報活動やプロセスが、最終的に顧客に対する付加価値の提供を求めず、あくまでも売り手側の利益を優先した、「押し売り」であるとすれば、それは本当の意味ではマーケティングではありません。少なくとも、顧客の欲求やニーズを満たす、もしくは、顧客の課題を解決しようとする行動やプロセスであることが、あるべきマーケティングの要件だと言えます。
 
 
顧客の課題を知るために「本当の顧客は誰か」を知る
ただ、顧客の欲求・ニーズ・課題を把握することは実際にはかなり難しい作業です。確かに、既存の製品・サービスに対する改良や改善を行う場合は、毎回同様の調査方法やアンケート、サンプル提供などを通じて顧客の声を収集し、分析することは可能です。しかし、今までに存在していない製品・サービスに対しては、顧客自身も明確なニーズ・課題を認識できていないケースも多く、また、どういった市場が存在するのか、顧客が存在するのかも不確定であるケースが多いからです。
 
顧客の特定と顧客ニーズの特定


 
 マーケティングを開始する際には、「誰が顧客なのか」を意識しながら、働きかけるべき対象を絞り込み、そのうえで、顧客の課題を様々な方法により掴み取っていかなければなりません。新しい製品・サービス・事業を、新しい市場に向けて提供しようとしている場合は、この作業は非常に困難を極めます。顧客が不明確なケースであるほど、効率的とは言えない、一見無駄に思えるような作業を伴う事も多いのも事実です。しかし、マーケティング活動を通じ「顧客」が誰であるかを認識し、さらに、「その顧客にとっての課題」を知ることができれば、「自分は・自社は、その課題を解決できるか?(=製品やサービスの開発・製造等によって)」ということを検討するステップに進むことができます。
 
 
 

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