パラレルキャリア *後編

パラレルキャリアは、シリアルキャリアに比べると非常に「欲張り」なコンセプトです。先に述べたように、本業と副業・兼業の間のバランスをとる事は大変難しく、それが可能かどうかは実際には勤務先の職場環境・要員状況や、自身の本業側での役割によっても大きく変わります。また、副業・兼業側も時間の制約が厳しかったり、負荷の調整が難しいようであれば、本業側の業務に必ず支障が出てしまいます。つまり、パラレルキャリアを成立させるには、「①本業側の業務内容」、「②副業・兼業側の業務内容」の①②の間のマッチングが重要です。
 
 
例えば、一般的な企業に勤務して終日デスクワークを必要とする会社員が、副業としてパン屋を始める場合を想定してみます。もしこの会社員が商品であるパンを焼き、レジの対応を自ら行うとしたら、早朝から店を閉めて翌日の準備をする迄のほぼ終日、店で作業をしなければならないので会社には通えず、両立は不可能になります。「①本業の業務内容(終日デスクワーク)」に対して、「②副業の業務内容(パン焼き・レジ対応)」の組み合わせが悪い状況です。
 
次に、この会社員がレジ対応等を行う店員とパン職人を雇って、パン屋の経営者として副業を行うとします。そうすれば少なくとも、早朝にパンを焼く作業もレジの対応も自ら行う必要が無くなるので、終日パン屋にいなければならない状況は無くなります。本業のデスクワークを終えた後、パン屋に出向いてその日の売上等を確認して従業員に指示を出すという作業であれば、ひょっとすると成立するかもしれません。夜や週末しか現れないオーナーが経営するパン屋が上手くいく可能性は非常に低いかもしれませんが(笑)、この極端な例では、同じパン屋を副業の対象とする場合でも、自分自身でどこまで行い、どのような役割を担うかによって、本業・副業のマッチングの結果が異なることを示しています。
 
また、そもそも、本業側の業務が連日深夜にまで及ぶ残業を必要としたり、急な顧客からの要望を受けて出勤しなければならない業務であると、副業を行うこと自体が大変厳しくなります。パラレルキャリアを実現する要件としては、本業側も副業側もある程度時間や負荷の調整が可能でなければなりません。
 

パラレルキャリアの理想形


 
パラレルキャリアの理想形
理想的には、本業側の経験や専門性を活用できる分野を対象に副業を行えると効率的なのですが、本業と副業の距離があまりに近すぎると、利益相反や営業秘密、コンプライアンス等の観点で問題が生じやすくなります。特に本業側で取り扱っている情報を直接活用するような副業は行えません。その為、パラレルキャリアを成立させる為には、本業の知識や情報をそのまま使用するのではなく、具現化しづらいノウハウや課題解決のプロセス、スキル(ソフトウェアのコーディングやデザインスキルなど)を活かす仕事が副業に適していると言えます。
 
実現は難しいかもしれませんが、本業と副業を日々バランス良く回しながら、それぞれの仕事を通じて得た課題解決プロセスやスキルを相互に活用するサイクルを作ることができれば、パラレルキャリアは最も合理的なキャリア形成の方法になると考えており、私の場合は副業としてコンサルティング業務を選びました。まだまだ課題は多く、試行錯誤を行っている段階ですが、実体験を通じて学んだ”パラレルキャリアを実現する上でのポイント”についても、本ブログで紹介していきたいと思います。
 
 

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